脱水症ってよく聞きますが、どういう対処をすればいいのか知っていますか?
その対処法は正しいですか?
水をたくさん飲めば大丈夫だと思っていたら、大間違いですよ!
大量の水を一気に摂ってしまうと逆に悪化させてしまうこともあります。
脱水症にも種類があるので、一概に水分を摂れば解決するワケではありません。
脱水症の症状と原因および予防法について知りたい方は下記に詳しくまとめていますのでご確認ください。
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自分自身や周りの人が脱水症になった場合、どういう対処をすればいいのか知っていれば、動揺せず冷静に対処ができます。
脱水症になった場合の対処の仕方についてまとめました。
脱水症にも種類がある
脱水症には3つの種類があります。
- 高張性脱水
- 低張性脱水
- 等張性脱水
簡単に説明すると、
高張性脱水は、汗や多尿により体内の水分が不足した状態です。
低張性脱水は、嘔吐や下痢などにより体内の塩分が不足した状態です。
等張性脱水は、出血や下痢などにより体内の水分と塩分が不足した状態です。
人間の体重の約60%は体液でその殆どが水分ですが、約0.85%の塩分が含まれ濃度のバランスが調整されています。
この水分と塩分のバランスが崩れてしまうと、体の機能を正常に持続させることができなくなります。
この体液が何らかの原因で不足したり、塩分濃度のバランスが崩れた状態が脱水症です。
詳しくは『脱水症になるとどういう症状がでるの?症状と原因のまとめ』でまとめていますので参考にしてください。
水分が不足しているのか、塩分が不足しているのか、それとも両方ともなのかによって対処は変わってきます。
一概に脱水症だからといって水分だけを摂ってしまうと、逆に悪化させてしまう恐れがあるのです。
脱水症の症状程度と対処の仕方
脱水症の症状は3つの段階に分けられています。
- 軽度
- 中度
- 重度
それぞれ3つの段階が、どういう体の状態で、どういった脱水症状が出るのか、簡単にまとめておきます。
脱水症軽度の場合
脱水症軽度の場合は、以下の状態と症状です。
水分 | 体重の約2%(1〜2リットル)の水分を失った状態 |
塩分 | 0.5g/kgを失った状態 |
主な症状 | ノドの渇き、めまい、立ちくらみ、食欲不振、倦怠感 など |
脱水症中度の場合
脱水症中度の場合は、以下の状態と症状です。
水分 | 体重の約3〜6%(2〜4リットル)の水分を失った状態 |
塩分 | 0.5〜0.75g/kgを失った状態 |
主な症状 | ひどいノドの渇き、唾液の減少、舌粘膜の乾燥、尿の減少、頭痛、嘔吐、心拍数の増加、不整脈、手足のしびれ など |
脱水症重度の場合
脱水症重度の場合は、以下の状態と症状です。
水分 | 体重の約7〜14%(4〜8リットル)の水分を失った状態 |
塩分 | 0.75〜1.25g/kgを失った状態 |
主な症状 | 血圧の低下、意識障害、錯乱、昏睡、けいれん、死亡 など |
脱水症って、どう対処すればいいの?
軽くノドが渇いた状態で、すでに軽度の脱水症だと認識してください。
決して軽く考えてはいけませんが、軽度であればある程度の対処が自宅でもできます。
しかし、中度や重度の脱水症の症状がみられた場合は、すぐ病院を受診してください。
重度の場合は特に命に関わることもあります。
意識がない場合や言動がおかしい場合は迷わず救急車を呼んでください。
一人暮らしの人が重度の脱水症状で意識がなくなるのが一番怖いです。
対処ができず危険なので、脱水症の予防を心掛けてください。
軽度の脱水症の場合の対処の仕方は、次の項目で詳しく説明します。
中度や重度の症状の場合も、病院に行くまでや救急車を待つ間に悪化を防ぐ対処になりますので、参考にしてください。
自分に症状が見られる場合もそうですが、周りの人に脱水症状がみられた場合も、知識として知っていれば慌てることなく冷静に対処ができます。とにかく冷静に迅速な判断が必要です。
軽度の場合の対処法
何度も言うように、ノドが渇いた状態で既に軽度の脱水症です。
軽度の段階でしっかり正しく対処すれば、悪化させず回復も速いです。
それでは、脱水症になった場合どういう対処をすればいいのでしょうか。
できる対処法は4つです。
- 水分を補給する
- エアコンなどで部屋を冷やす
- 服を緩め安静にする
- 体を冷やす
- 一人にならない、しない
水分を補給する
まずは失った水分を補給します。
前項でもふれましたが、ただ水を摂取すればいいわけではありません。必ず適量の塩分も摂取しましょう。
できれば、経口補水液がいいです。
経口補水液はナトリウムやブドウ糖の濃度が調整された飲み物で、脱水症の時には最適です。
最近ではお店やネット通販でも売られていますので、常備しておきましょう。
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スポーツドリンクも塩分が入っていますので効果的で吸収も早いです。
経口補水液やスポーツドリンクは塩分や糖分が多く入っています。
塩分や糖分制限の必要な持病のある方は、経口補水液やスポーツドリンクの塩分や糖分でバランスを崩してしまう可能性がありますので、医師と相談してください。
また、スポーツドリンクは高齢の方や乳幼児には向かないです。やはり経口補水液がいいでしょう。
飲み方にも注意が必要です。
経口補水液を一気飲みせず少量ずつ時間をかけて飲みましょう。目安としては体重1kgにつき約50mlの量を4時間かけて飲むペースです。
体重が50kgの人なら約2500mlを4時間かける感じで、嘔吐や下痢がある場合は排出された量をプラスしましょう。
もし嘔吐や下痢が続く場合は病院を受診してください。
自宅でつくれる経口補水液
経口補水液は自宅でもカンタンにつくれます。
- 1リットルの水
- 砂糖 40g(大さじ4杯)
- 塩 3g(小さじ半分)
を用意して混ぜるだけなので簡単です。
グレープフルーツやレモンなどがあれば果汁を混ぜましょう。果汁の中のカリウムを効果的に補給できます。
適度な塩分の取り方
経口補水液やスポーツドリンクがすぐに手に入らない場合はどうしたらいいのでしょうか。
水だけを摂取するのは危険なので、なにかで塩分を摂る必要があります。
- 塩
- 梅干し
- 熱中症対策用の飴
などで簡易的に塩分を摂取しましょう。塩分の摂り過ぎには注意が必要です。
塩
250ml(約コップ1杯)に塩を0.2g(軽くひとつまみ)入れて混ぜた濃度が適量です。これも時間をかけてゆっくり摂取しましょう。
梅干し
昔ながらの大きめな梅干し1個あたり約4.7gの塩分があります。水1リットルに対し梅干し1個が適量です。これも時間をかけてゆっくり摂取しましょう。
熱中症対策用の飴
熱中症対策用の塩飴がお店で売られています。いざというときに重宝するのでカバンに2〜3個常備しておくと安心です。
250ml(約コップ1杯)の水につき飴1個が適量です。これも時間をかけてゆっくり摂取しましょう。
エアコンなどで部屋を冷やす
上昇している体温を下げるため、寒いくらいに部屋を冷やしましょう。
健康な場合は、発汗させてその汗を蒸発させて体を冷やしていきますが、脱水症状の時は脱水のため発汗が出来ないため体温が下げられません。
部屋を冷やし、出来るだけ体温を下げてあげる手助けをします。
服を緩め安静にする
エアコンなどで冷えた部屋で横になり安静にしましょう。体を締め付けている服を緩めます。
めまいやふらつきがある場合は、クッションなどで足が高くなるようにして頭に血液を送るようにしましょう。
体を冷やす
ゆっくり水分を摂りながら、体を冷やす手助けをしましょう。
後頭部やワキの下、太腿の内側などを濡れたタオルや保冷剤を当てて冷やします。
一人にならない、しない
脱水症状が出てからしばらくは、誰かが必ず付き添いましょう。
急な異変で意識を失ったりする場合もあります。
一人にしてしまうと思わぬ重症化する事態が起こる可能性があります。
容体が安定するまでは一人にならない、しないようにしましょう。
まとめ