お金をかけずにシミがパッと消える魔法のような方法は、今のところありません。
市販されている化粧品やサプリメントなども、シミを予防する程度のものです。
気になるシミがあって、そのシミを消したくて方法を探していたのに、この残念な結論…。
でも、シミができるには原因があって、その結果のシミです。
原因をなるべく取り除いて予防できれば、シミは減っていくハズです。
なので「シミを消す」から「シミができにくい身体にする」に視点を変えてみませんか?
ほんの少しの心がけでできるコトばかりなので、是非試してみてください!
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シミができるメカニズム
シミができる原因の多くは、紫外線の予防が足りなくて起こる老人性色素斑です。
一年中降り注いでいる紫外線をしっかりブロックしないと、シミはでき続けてしまいます。
まずは、紫外線の影響でシミができてしまうメカニズムについてみていきましょう。
次の図を見てください。これは人の肌の断面図です。
肌は紫外線にあたると、活性酸素が発生します。
もともと活性酸素は体内に侵入してきた細菌やウイルスなどから細胞を守ってくれる大切な役割を担っていますが、増えすぎてしまうと逆に正常な細胞にもダメージを与えてしまいます。
肌が老化する原因の一つに、紫外線を浴びたことによって増える活性酸素の影響があげられるのです。
まず表皮細胞は、表皮や真皮にダメージを与える有害な紫外線の侵入と活性酸素が増えすぎるのを防いで肌内部をダメージから守ろうと「エンドセリン」などの情報伝達物質を分泌します。
情報伝達物質とは細胞間で情報を伝達する物質(ホルモン)で、メラノサイトに「紫外線が侵入してきたぞ!活性酸素も増えている!身体を守るためメラニン色素を作って!」と伝達されます。
表皮細胞から情報伝達物質が届いたメラノサイトは「チロシン」というアミノ酸を作り、メラノサイトにしかない「チロシナーゼ」という酸化酵素の作用によって、どんどんメラニン色素へと変化させます。
出来上がったメラニン色素は表皮細胞へ含まれて、ターンオーバーとともに角質へと押し上げられていきます。
そして、メラニン色素を含んだ表皮細胞がバリアとなって紫外線をブロックしてくれるのです。
健康な肌であれば、メラニン色素が含まれた表皮細胞はターンオーバーによって垢として剥がれ落ちていきます。
でも、紫外線対策をせずに浴び続けたりなど何らかの原因でメラノサイトが過剰にメラニン色素を作り続けたり、ターンオーバーが正常に行われず遅れたりすると、シミとなって肌に残ってしまいます。
これが、シミができるメカニズムです。
このメカニズムを知っていると、たくさんある化粧品やサプリメントなどを選ぶ際にもどう効果があるのかも理解できますしマガイモノを見破れます。
それでは「シミができにくい身体にする」方法を見ていきましょう!
身近な食べ物でシミの原因メラニン色素を抑える!
毎日の食事でシミを予防することができます。
そもそも必要な栄養素が肌細胞に届かなければ、キレイな肌を維持できません。
その必要な栄養素は食事から摂取されます。
たくさんある栄養素の中から、シミをできにくくする栄養素をピックアップしました。
ビタミンC
ビタミンCは、チロシナーゼの働きを抑えてメラニン色素の生成を抑制したり、作られてしまったメラニン色素の排せつを促したり、メラニン色素ではないものに変えてシミを薄くするなどの効果があります。
また、肌のハリに関係するコラーゲンを作ったり、活性酸素を抑える働きもあるので美容のミラクル栄養素です。
- 1日の摂取量…成人女性で100mg程度。ビタミンCは体内に蓄えておけないので、1日3回の食事やおやつなどで数回に分けて摂取するのをオススメします。
- 多く含まれている食品…パプリカ(赤・黄)、ゴーヤ、ピーマン、レッドキャベツ、芽キャベツ、モロヘイヤ、しし唐辛子、ブロッコリー、カリフラワー、かいわれだいこん、ミニトマト、キウイフルーツ、イチゴ、甘柿、ネーブル、パパイア など
- 一緒に摂取すると効果的な栄養素…ビタミンEを多く含む食品と一緒に摂取すると、さらに抗酸化作用効果もUP。
ストレスや喫煙などによってビタミンCは多く消費されるのでしっかり摂取しましょう。
ビタミンA
ビタミンAは、肌を活性化させ新陳代謝を促しメラニン色素を排せつする効果があります。
ターンオーバーをスムーズにして肌を健康でキレイに維持してくれます。
- 1日の摂取量…成人女性で650〜700μgRE(マイクログラムレチノール)程度。
- 多く含まれている食品…鶏レバー、うなぎ、モロヘイヤ、大根の葉、かぶの葉、ルッコラ、小松菜、ニンジン、かぼちゃ、ほうれんそう、にら、シソ、バジル、春菊、牛乳、卵黄、プロセスチーズ など
- 一緒に摂取すると効果的な栄養素…ビタミンCやビタミンEと一緒に摂取すれば相乗効果がUP。また油に溶けた状態の方が吸収されやすいので、油での調理方法が効果的です。
β(ベータ)カロテン
β(ベータ)カロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変換されます。
ビタミンAとしての働きとともに、紫外線で発生した活性酸素を抑える効果があります。
- 1日の摂取量…β(ベータ)カロテンは数多くあるビタミンAの前駆物質なので単独としての必要摂取量は示されていません。
- 多く含まれている食品…ニンジン、かぼちゃ、モロヘイヤ、ほうれん草、赤じそ、パセリ、ケール、春菊、小松菜、せり、大根の葉、にらなどといった緑黄色野菜や、メロン、ミカン、スイカなどの果物 など
また、β(ベータ)カロテンは油に溶けた状態の方が吸収されやすいので、油での調理方法が効果的です。
ビタミンE
ビタミンEは、全身の血流を良くし肌を活性化させ新陳代謝を促したり、活性酸素から細胞を守ったり、脂質過酸化の改善や予防する効果があるため、別名「若返りビタミン」「老化防止ビタミン」などといわれています。
- 1日の摂取量…成人女性で6.5mg程度。
- 多く含まれている食品…植物油、マーガリン、アーモンド、落花生、マヨネーズ、卵黄、あゆ、うなぎ蒲焼き、モロヘイヤ、かぼちゃ、赤ピーマン、ほうれんそう、キウイフルーツ、アボガド、マンゴー、ブルーベリー など
- 一緒に摂取すると効果的な栄養素…ビタミンCと一緒に摂取すれば相乗効果がUP。油に溶けた状態の方が吸収されやすいので、油での調理方法が効果的です。
チロソール
チロソールは、オリーブの果実に含まれるポリフェノールの1種で、メラノサイトでメラニン色素へと変化させるチロシナーゼの活性化を抑えたり、活性酸素を抑える強い抗酸化作用があります。
- 1日の摂取量…5mg程度。毎日継続することで効果が期待できます。
- 多く含まれている食品…オリーブの果実、バージンオリーブオイル
血行を良くする
肌に必要な栄養素は血管を流れる血液によって肌細胞に届けられます。
食事でいくらシミに良い栄養素を摂取しても、血行が悪いと肌細胞にしっかり栄養は運べませんし、老廃物を回収することもできません。
特に女性は血行不良が多いので、まずは血行を良くすることが大切です。
血行を良くするには、ビタミンEや鉄を摂取したり、適度な運動をすることで改善されてきます。
ビタミンEはすでに前項の「身近な食べ物で大敵シミの原因メラニン色素を抑える!」で紹介していますので省略します。
鉄
鉄は、血液中の赤血球をつくるヘモグロビンの成分で、酸素と結び付いて身体のすみずみまで酸素を運び、血行を良くします。
女性は月経で鉄が不足しやすく、貧血や冷え性になりやすいので意識して摂りましょう。
- 1日の摂取量…成人女性で8.5〜10.5mg程度。
- 多く含まれている食品…レバー、牛肉、ツナ缶、マグロ、かつお、しじみ、あさり、納豆、卵黄 など
- 一緒に摂取すると効果的な栄養素…タンパク質やビタミンCと一緒に摂取すると吸収がUP。
適度な運動
あとは適度な運動をすることです。
運動すると身体が温まり血管が拡張するので血行が良くなります。
ウオーキングなど無理なく続けられる運動をして、健康的に血行不良を改善しましょう。
サプリメントで食生活をバックアップ!
食事から栄養素をバランス良く摂れれば理想的です。
でも毎日何かと忙しいですから、お手軽で早く食べられるレトルト食品や外食などが増えて、どうしても栄養が偏りがちになっています。
その足りない栄養素を補ってくれるのがサプリメントです。
食事から栄養を摂取するのが大前提というのは忘れないでくださいね!あくまでも「補う」程度と考えてください。
例えば、ビタミンCが足りていないなと感じて、ビタミンC単独のサプリメントを利用するのもありですが、他の栄養素と一緒に摂ることで効果がUPしたり相乗効果があるものもあります。
前項の「身近な食べ物で大敵シミの原因メラニン色素を抑える!」でも一緒に摂取すると効果的な栄養素を紹介していますので、是非参考にしてみてください。
また、シミ対策を目的としたサプリメントもあります。
こちらはシミを予防することに特化したものなので、必要な栄養素はもちろん、相乗効果のある栄養素も組み合わされて1粒にまとめられているので、それぞれ単独でサプリメントを購入するよりは手間無く安く抑えられるでしょう。
とはいえ成分表示はしっかりチェックして選んでくださいね。
サプリメントを飲むタイミング
あなたはサプリメントをいつ飲んでいますか?
サプリメントには「1日あたり○粒を目安に」などと曖昧な表示がされています。
実はサプリメントは医薬品ではないので、病院で処方される薬のように「1日3回/食後30分に1錠」などと表示してはいけないルールになっているのです。
サプリメントは健康補助食品なので、医薬品との区別化をされているのです。
でも、せっかくサプリメントを飲むなら効率的に摂りたいですよね?いったい何時飲めばいいのでしょうか。
吸収率からいうと食後がいいです。
そのサプリメントの性質が水溶性でも脂溶性でも、食事と一緒であれば消化吸収機能が働いて、食事で摂った栄養素と一緒に吸収されやすくなるからです。
なので、食事をとらずにサプリメントだけというのは以ての外として、食後に飲むことをオススメします。
お試し期間はどれくらい様子をみればいい?
サプリメントが自分に合っているかをお試しするのに、どれくらいの期間みていますか?
飲みはじめて1週間くらいで効果が実感できないと次の商品に移るせっかちな人もいますが、最低でも1ヶ月は続けてから判断しましょう。
できれば2〜3ヶ月は続けてみてください。
それでも効果が実感できなければ、あなたには合っていないと判断できます。
飲む前と後での違いを自分が検証ができるように、肌の状態をよくチェックしておきましょう。
摩擦や刺激が原因でシミに!正しいスキンケア方法を
メラニン色素を作らせてしまう原因の1つに、スキンケア時の摩擦や刺激があります。
刺激の強いクレンジングや、洗顔時のゴシゴシ洗い、洗顔後のタオルによるゴシゴシ拭き取り、刺激の強い化粧品や化粧品をつける際の摩擦などが刺激となり、メラニン色素を作らせている場合も多いのです。
ケアしているつもりが逆効果になっていますので、摩擦や刺激を軽視せずスキンケア方法を見直してみましょう。肌を擦らず、優しくが基本です。
美白成分を配合した化粧品を使う
美白成分が配合されている化粧品もシミを消せるワケではなく、シミを予防するのが目的です。
美白成分がシミにどういう働きをするのかというと、
- メラニン色素の生成を抑制する…紫外線を浴びてメラニン色素が作られるのを邪魔する成分が配合されている
- メラニン色素の排せつを促す…肌のターンオーバーによってメラニン色素を排せつするように促す成分が配合されている
- メラニン色素を分解する…できてしまったメラニン色素を化学反応によって分解し、メラニン色素ではないものに変える成分が配合されている
というように、シミの原因であるメラニン色素への3タイプのアプローチ方法があります。
詳しくは『シミをケアする美白成分の種類とその働きについて』にまとめていますので参考にしてください。
美白化粧品を選ぶ際の参考になるように、主な成分をまとめておきます。
- メラニン色素の生成を抑制する成分…カモミラET、トラネキサム酸、t-AMCHA(t-シクロアミノ酸誘導体)、アルブチン、コウジ酸、エラグ酸、ルシノール、ビタミンC誘導体、プラセンタエキス、トラネキサム酸、リノール酸など
- メラニン色素の排せつを促す成分…ビタミンC誘導体、プラセンタエキス、リノール酸など
- メラニン色素を分解する成分…ビタミンC誘導体、エラグ酸など
美白成分としてオススメしたいのが、ビタミンC誘導体です。
トータル的に見てビタミンC誘導体が3タイプ共通に効果があり比較的低刺激な成分です。
人によって成分との相性や効果の出方には違いがあるので一概には言えませんが、皮膚科でも使われている成分ですので、試して見る価値はあります。
日やけ止めを塗る
シミができる多くの原因は紫外線です。
まずは紫外線をカットすることが重要になります。
紫外線を予防するために、どんな対策をされていますか?
日傘や帽子などで予防しているという人も多いかもしれませんが、紫外線の届き方は複雑なので、それだけでは不十分です。
紫外線のダメージを予防するには、1年中しっかり日焼け止めを塗ることです。
日焼け止めにも種類がある
日焼け止めは、使用されている成分により「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の2種類に分けられます。
詳しくは『正しいスキンケアはできてる?顔用日焼け止めの正しい選び方と使い方』にまとめていますので参考にしてください。
簡単に説明すると、
紫外線吸収剤は、紫外線を肌の表面で吸収し、化学反応で熱エネルギーに変えて肌の外へ放つことで紫外線の侵入を防ぎます。
紫外線を防ぐ力は強いですが、肌の表面で化学反応を起こさせるワケですから、肌の負担は大きいです。
ローション、スプレー、ジェルタイプの日やけ止めの多くが紫外線吸収剤ベースで、使用感としては無色透明で塗り心地も良いです。
紫外線散乱剤は、紫外線を肌の表面で金属成分によって跳ね返すことで紫外線の侵入を防ぎます。
紫外線吸収剤に比べ紫外線を防ぐ力は劣りますが、肌への負担は少ないです。
クリームや乳液タイプの日やけ止めの多くが紫外線散乱剤ベースで、使用感としては白浮きしたりベタついたりして塗り心地はあまりよくありません。
それぞれメリット・デメリットはありますが、紫外線を予防する強さや肌への負担を考えると、日常生活であれば紫外線散乱剤ベースのものでSPF30、PA++以上のものがオススメです。
毎日塗るワケですから、なるべく肌に優しいものを選んだ方がいいです。
長時間屋外にいたりレジャーを楽しむ場合は、紫外線吸収剤ベースのものでSPF50、PA++以上のものを使用したほうがいいです。
パウダーファンデーションを塗る
パウダーファンデーションの色粉には、紫外線散乱剤と同じ成分の酸化チタンや酸化亜鉛が含まれており、紫外線カット効果があります。
紫外線は防ぎたいけど紫外線吸収剤をなるべく使いたくない人は、紫外線散乱剤ベースの日やけ止めとパウダーファンデーションを併用することをオススメします。併用することで紫外線をカットする効果もUPします。
逆にどうしてもパウダーファンデーションの使用感が苦手な人は、紫外線散乱剤の日焼け止めを塗った上から紫外線吸収剤を含むファンデーションを塗れば、吸収剤の刺激や乾燥の影響をある程度防げます。
質の良い睡眠を十分とる
肌を健康に維持するためには、最低でも6時間の質の良い睡眠が必要です。
というのも、睡眠時間中に肌の再生や修復が行われていて、再生や修復にかかる時間が最低でも6時間は必要だからです。
肌の再生や修復は血液から運ばれてくる水分や酸素、必要な栄養素がしっかり届かないとできません。
活動している日中はほとんどの血液が脳に集中していて肌まで届かないので、脳の活動が落ち着き血液が行き渡ってくる睡眠中に肌の再生や修復が行われています。
特に眠り始めて3時間の間に分泌される成長ホルモンが、肌の再生や修復を活発にしてくれます。
ほとんどの人が睡眠不足な状態だといわれていますが、眠り始めの3時間は深い質の良い眠りを心掛け、身体の自然治癒を邪魔しないように6時間以上の睡眠時間を確保してあげましょう。
まとめ