毎日ちゃんと歯を磨いているのに、だんだんと歯が黄色くなってきてる…。
歯の黄ばみに気付いた時のショックといったら大きいですよね。
だらしがない、不潔な感じ…大人の素敵女子には相容れない印象です。
逆に話している相手の歯が黄ばんでいたら、やっぱり不潔に感じてしまいますよね。
その印象をあなたも相手に感じさせているかも…!?
そもそも、なぜ歯は黄ばんでくるのでしょうか。
歯が黄ばむのには原因があるはずなんです。
まずはその原因について知って、できる予防・解消法を探しましょう!
歯の構造について
歯って、どういう構造になっているのでしょうか。まずは歯の構造についてみていきましょう。
歯は、上の図のような構造になっています。
厳密にいうと、他にも細かい組織があり役割分担がされているのですが、ここでは認識のしやすい5つの組織について紹介します。
エナメル質 | 歯の一番表面にある組織。2〜3㎜くらいの厚さで半透明。外部刺激から歯髄(神経が通っている部分)を守る働きをしている。 |
象牙質 | エナメル質の下にある組織。歯の大部分が象牙質で乳白色。歯髄(血管や神経が通っている部分)を保護する働きをしている。 |
歯髄 | 歯の中心にある血管や神経が通っている組織。歯に栄養や酸素を届けたり、痛みを感じその刺激に対する防御反応で象牙質を形成するなどの働きをしている。 |
歯肉 | 歯の根元にある肉の部分。歯槽骨を保護する働きをしている。 |
歯槽骨 | 歯を根元から支えている骨の部分。 |
歯の黄ばみに深く関係してくるのが、
- エナメル質
- 象牙質
- 歯髄
の3つの箇所です。
歯の色について
歯の色は象牙質の色に影響を受けます。
エナメル質は2〜3㎜と薄く半透明なので、その下にある象牙質が透けてみえるのです。
象牙質は基本的に乳白色ですが、肌や髪の色と同じでそれぞれ個人差があります。
もともと真っ白い人もいれば黄色っぽい人もいるので、象牙質の色によって左右されるのです。
歯にはそれぞれ個人差があることを考慮に入れながらも、それ以上に歯が黄ばんできている場合の原因についてみていきましょう!
歯が黄ばんでくる原因はコレ!
もともとの歯の色以上に黄ばんでくるのには、色々な原因があります。
- 飲食物による着色
- タバコによる着色
- 薬やうがい薬による着色
- 歯石の付着による着色
- 虫歯による変色
- 治療後の詰め物の変色
- 神経のない歯の変色
- 加齢による変色
- 口内の乾燥による着色
などがあげられます。
日常的に食べたり飲んだりしたものからの着色や、歯や口内の環境による変色などが主な原因です。
これら9つの原因を詳しくみていきましょう。
歯に着色してしまうメカニズムについて
そのまえに、歯に着色するメカニズムについてご説明します。
歯の表面は、ツルツルしているように感じますが、実際は目には見えない程の細かい溝があります。
その溝に食べ物や飲み物、タバコのヤニなどの色素(ステイン)が付着します。
この段階では、丁寧な歯磨きやうがいで着色はある程度予防できます。
でも、この付着した色素を長時間放置したり取りきれなかったりすると、エナメル質を覆っている「ペリクル」という成分(唾液成分で作られており、エナメル質を溶かす酸から守ってくれている)と結合して、どんどん着色汚れが染み重なり歯を黄ばませてしまいます。
エナメル質の内部まで沈着してしまうと、普通の歯磨きでは黄ばみは取れません。
なるべく色の濃いモノの飲食は短時間ですませ、口の中に留めないようにしましょう。
そして、すぐ歯磨きやうがいをしてこまめにケアします。タバコを吸った後も同様です。
飲食物による着色
食べ物や飲み物の色素が歯の表面に付着し、どんどん染み重なり黄ばんできます。
特に色の濃い飲食物は着色しやすいので、注意が必要です。
歯を黄ばませてしまう代表的な飲食物をあげておきます。
色の濃い食べ物 | カレーライス、ビーフシチュー、納豆、焼きそば、キムチ、焼肉、焼き鳥 など |
香辛料 | カレーの香辛料、ケチャップ、しょう油、ソース、わさび など |
飲み物 | コーヒー、紅茶、ジュース類、ウーロン茶、緑茶、ココア、コーラ、栄養ドリンク など |
アルコール | 赤ワイン、白ワイン など |
果実類 | ブルーベリー、イチゴ、ブドウ など |
野菜類 | 緑黄色野菜、ネギ、ニンニク など |
こういったモノを飲食した場合は歯磨きをするのがベストですが、時間がない場合はうがいをして色素が歯に付着しないように心掛けましょう。
コーヒーなどを飲みながら仕事するという人も多いと思いますが、これも歯の黄ばみの原因となります。
短時間でちゃちゃっと飲んで、歯磨きやうがいをしましょう。
どうしても定期的に水分を摂りたい場合は、お水に置き換えましょう。
お水なら歯の色素が付着することもありません。
タバコによる着色
タバコをよく吸う人の歯は、かなりな確率で黄ばんでいますよね。
タバコのヤニは飲食物による着色とは比べものにならないくらい着色します。
また、タバコのニコチンやタールが歯茎に悪影響を与え、血行が悪くなったり炎症を起こしたり、歯周病を悪化させたりします。
最近では、電子タバコのiQOS(アイコス)に切り替える人も増えています。
このiQOS(アイコス)は煙ではなく水蒸気で、タールが殆ど含まれていないので、歯も黄ばみにくいといわれています。
どうしても禁煙ができないけど、歯の黄ばみが気になる人は、iQOS(アイコス)に切り替えてみてはいかがでしょうか。
薬やうがい薬による着色
なんと薬やうがい薬でも歯が黄ばんでしまうことがあるようです。
- ポピドンヨードやクロルヘキシジンという成分の入ったうがい薬
- テトラサイクリン系の抗生物質
などを口にするときは注意が必要です。
ポピドンヨードやクロルヘキシジンという成分の入ったうがい薬は長期間使用していると、歯に着色することがわかっています。
また、テトラサイクリン系の抗生物質を12歳までに服用した場合、副作用で歯が変色する場合があります。
呼吸器や皮膚の疾患の一部では今も使われていますが、現在は0〜12歳までの小児には禁止となっています。
必ず使用後は歯磨きうがいをして、歯に残らないようにしましょう。
歯石の付着による着色
毎日の歯磨きがヘタだったり、磨きにくい奥歯や歯並びが悪くて磨き残しがあると、歯垢(プラーク)が溜まります。
歯垢は放置すると48時間で硬い歯石となり、だんだんと黄ばみも出てきます。また、歯茎に炎症を起こしたり、口臭や歯周病の原因にもなります。
そのまま放置し進行すると、黄ばみを通り越して黒っぽくなるので、黄ばみのウチに歯科でクリーニングをしてもらいましょう。歯石になると普通の歯磨きでは取れません。
予防としては、歯磨きである程度取れる歯垢の段階でのケアが大切です。
まずは磨き残しのない歯磨きを実践することです。
一度正しい歯の磨き方を見直してみることをオススメします。
虫歯による変色
虫歯になるとエナメル質が黄色く変色し、更に象牙質まで虫歯が進行すると茶色くなり、歯髄まで進むと黒ずんでくるので、まずは虫歯の治療が先決です。
毎日の丁寧な正しい歯磨きと定期的な歯科での診断を受けることで、虫歯にならないようにしましょう。
治療後の詰め物の変色
治療を受けた歯の詰め物やかぶせ物が劣化して黄ばんだり黒くなることがあります。
詰め物やかぶせ物の素材は、保険適応内でよく使われているのが、コンポジットレジンというプラスチックのような樹脂です。
このコンポジットレジンは治療から3〜5年が経過すると劣化して、だんだんと黄色く変色してきます。
歯科での再治療が必要です。
少しお高くなるのですが、セラミックであればコンポジットレジンより透明感があり治療後の変色も少ないです。
神経のない歯の変色
虫歯の治療で神経を抜いた歯や何らかの原因で神経が死んでしまった歯は、時間が経ってくると歯の内側から茶色く変色してくることがあります。
これは、歯髄の血管や神経が取り除かれ血液の循環がなくなって、象牙質に栄養が届かなくなったことで変色してしまうのです。
神経のない歯は、一般的なホワイトニングでは変色は取れません。
差し歯やかぶせ物をするのが一般的な治療となるので歯科で治療が必要です。
加齢による変色
加齢とともに象牙質の色がだんだんと濃くなってきます。
しかも、長年の歯磨きなどによってエナメル質が徐々に薄くなり、象牙質の色が更に透けて見えるようになってきます。
この両方の原因が重なり年齢を重ねる毎に黄ばんできている感じがするのです。
加齢による変色は、普通の歯磨きでは取ることはできませんが、ホワイトニングで白くできるようです。
口内の乾燥による着色
口呼吸する人や口の中が乾燥しやすい人は、唾液が不足して黄ばみやすくなると言われています。
口の中の唾液が不足すると、歯の表面が乾燥して色素や汚れが付着しやすくなるのです。
口呼吸している人は鼻呼吸をできるように心掛けてください。
口が乾燥しやすい人はお水を定期的に飲んだり、食事の時に噛む回数を増やすなど唾液腺を刺激して乾燥しないようにしましょう。
乾燥がヒドい場合はドライマウスの治療が必要かもしれません。
まとめ