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化粧品が浸透するのは角質層まで!
まず、理解しておかないといけないことがあります。
次の図を見てください。これは人の肌の断面図です。
人の肌はこのように大きく分けて「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層構造になっています。
図で見ると厚みがあるように感じますが、顔の表皮は約0.1〜0.3mm、真皮は約1〜2mmくらいで、表皮と真皮の2層合わせても平均1.5〜2mm程度というかなりの薄さです。
詳しい肌の構造については『肌の構造を知ることがキレイな肌への近道!肌ケア方法に雲泥の差がでる!?』で説明していますので、そちらを参考にしてください。
私達がお金をかけているスキンケア化粧品…化粧水や美容液、乳液などありますが、この化粧品が浸透して効果が見込めるのは、肌のどこまでだと思いますか?
実は化粧品が浸透するのは角質層だけです。
下の断面図で見てもらった方がわかりやすいでしょう。
たったここまでなんです。残念ながら肌の状態を司る基底層や真皮までは浸透しません。
肌の奥まで浸透すると誤解したイメージを与える化粧品のTVCMや広告を見かけますが、よ〜くみてください。
『浸透』という文字の横には小さな小さな「※」マークが付いています。
そして小さく小さく『浸透は角質層まで』と注意書きがされています(笑)。
何が言いたいのかというと、肌の外側からのケアでは肌を司る真皮に対してのケアはできないということです。
身体の内側からの肌ケアをしないと、根本的な解決にはなりません。
詳しくは『キレイな肌を維持したいなら!身体の内側からケアする5つの方法!』で説明していますので、そちらを参考にしてください。
真皮に効果がありそうな美容成分を配合されている化粧品は多いですが、そのほとんどは角質層の保湿効果を狙ったもので真皮への浸透を目的とはしていません。
結論としては、化粧品は角質層を整える成分が配合されているものを選ばないと意味がないのです。
角質層を整えるためには、角質層のバリア機能が正常に働く環境を整えてあげる必要があります。
そのためには肌の水分を正常に維持し、酸化を防いであげることが大切になってきます。
そのケアをしてあげるのが洗顔後のスキンケアだと理解してください。
美容液の役割
実は美容液って、とても曖昧なアイテムなのです。
美容液のしっかりした定義がなく、保湿やエイジングケアなど消費者の色々な効果へのニーズに応える形で、各メーカーがそれぞれに特化した美容液を開発販売しています。
配合されている成分や効果、テクスチャーも様々で、本当に良い美容液もあるのですが、化粧水や乳液とほとんど変わらないような“美容液もどき”な代物が多いのも事実です。
本物の美容液を見極める知識が必要ですが、でも美容液には可能性があります。
メーカーは更なる研究開発をしていますし、ドンドン技術も進化しています。
素晴らしい美容液が増えていますので、注目したいアイテムです。
美容液の特徴は保湿や美白成分などの美容成分が濃縮して配合されていることです。
本物の美容液を選ぶことができれば、スキンケアの重要なアイテムとなり、悩みにあわせた美容成分で集中ケアをすることができます。
例えば、
- 乾燥を防ぎたい…
- シミを防ぎたい…
- エイジングケアをしたい…
…などの悩みによって配合されている成分も変わってきます。
美容液はそれぞれ特化して細分化しているのです。
美容液の種類と選び方
美容液は次の4つの種類に大きく分けられます。
- 保湿美容液
- 美白美容液
- エイジング美容液
- ニキビ防止美容液
テクスチャーも化粧水のように水っぽいものから、オイル、ジェル、クリーム状など様々なものがあります。
保湿美容液
保湿美容液は、肌の潤いをキープして乾燥を防ぐ作用があります。
主な成分としてセラミドやヒアルロン酸、コラーゲンなどが配合されています。
美白美容液
美白美容液は、紫外線によるメラニンの生成を抑え、シミやそばかすを防ぐ作用があります。
主な成分としてビタミンC誘導体やアルブチン、カモミラETなどが配合されています。
エイジング美容液
エイジングケアとは、年齢に応じた肌のハリや弾力、そして潤いを保つケアのことです。
エイジング美容液は、真皮にあるハリや潤いを司る繊維芽細胞に働きかけシワやくすみなどを防ぐ作用があります(本当は届かないけど)。
主な成分としてはレチノールやナイアシン、ポリフェノールなどが配合されています。
ニキビ防止美容液
ニキビ防止美容液は、大人ニキビを防ぎ肌の状態を健康に保つ作用があります。
主な成分としてはビタミンC誘導体やグリチルリチン酸ジカリウム、サリチル酸などが配合されています。
曲がり角がオススメする美容液
今まで見てきたように美容液も色々なタイプのものがあり、あなたの肌に必要なケアに合わせて選びましょう。
ただ、特に美白美容液とエイジング美容液に関しては注意して欲しいことがあります。
まずは美白美容液を使ったからといって、決して肌が白くなるワケではありませんし、シミも消えません。
あくまでも紫外線によるメラニンの生成を抑えてシミや日焼けを予防する程度なので、過度な期待をしているとガッカリします。
しかもあまりにも美白成分が強いものだと逆に刺激となってシミや黒ずみができてしまうことも。
あまり強力な美白成分は避け、シミや日焼けを予防するという認識で使用してください。
もちろん予防しないよりしておいた方がいいです。
次にエイジング美容液は、化粧品の浸透の項目ですでに説明していますが、角質層から奥に浸透する化粧品はほとんどありません。
なるべく肌の奥に浸透させようとナノカプセル化粧品(細胞の間を通れるナノサイズのカプセルに有効美容成分を入れたもの)なども開発されていますが、今のところは角質層の深い部分くらいに到達するくらいです。
なので、真皮にある繊維芽細胞に働きかける成分の美容液を肌につけても届かないのであまり意味がありません。
また、ターンオーバーを早めるエイジングケア商品は逆に老化を早めてしまう可能性があります。
ターンオーバーとは細胞分裂ですが、その分裂回数には限りがあると言われています。
なので、意図的にターンオーバーを早めると、分裂回数の限界に到達するのも早くなってしまうのです。
…ということも頭のスミに置いて美容液を選んでください。
曲がり角的には、洗顔後のスキンケアに必要なのは角質層を健康に維持するケアだと考えています。
角質層を健康に維持するために必要なケアは保湿と抗酸化です。
そこでオススメしたい美容液は次の成分が配合されたものです。
- セラミドが配合された保湿美容液
- ビタミンC誘導体が配合された美容液
セラミドが配合された保湿美容液
保湿効果が高い成分としてセラミドをよく聞くと思います。
セラミドは角質層の細胞と細胞を繋いでいる細胞間脂質という脂質の主成分(ヒト型セラミド)で、水分を逃さない保湿の要でもあります。
しかも油性成分なので油分を多く含む美容液に配合されると効果的です。
成分表示では、セラミドEOP、セラミドNS、セラミドNP、セラミドAP、セラミドEOS、セラミドNDS などがそうです。
これらはヒト型セラミドの分類で人の皮膚のバリア機能成分ですが、その他にも疑似セラミドや植物セラミド、動物セラミドなどあります。
疑似セラミドは、ヒト型セラミドに似た働きをするよう化学的に合成されたものです。
ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド、セチルPGヒドロキシエチルパルミタミドなどの成分表示がそうです。
植物セラミドは、コメからとれる糖セラミドでヒト型セラミドに似た働きをします。
コメヌカスフィンゴ糖脂質などの成分表示がそうです。
動物セラミドは、馬油からとれる糖セラミドでヒト型セラミドに似た働きをします。
ウマスフィンゴ脂質、セレブロシドなどの成分表示がそうです。
疑似セラミドや植物・動物セラミドは、ヒト型セラミドに効果は及ばないけれど、配合量さえ十分あればしっかり保湿し角質層のバリア機能をケアできますし、ヒト型セラミドに比べてリーズナブルなのが利点です。
でも、やっぱり少々お高くてもヒト型セラミドがオススメではあります。
ビタミンC誘導体が配合された美容液
ビタミンC誘導体はミラクル成分です。
というのも、
- 抗酸化効果
- シミ予防
- シワ予防
- ニキビ予防
- 毛穴引きしめ効果
…など多くの効果がある成分なのです。
抗酸化効果がありながらメラニンの生成もブロックし、毛穴の引き締めやニキビの予防もしてくれるというミラクル成分です。
ビタミンC誘導体は日々進化しており、水溶性タイプと、もともと水に溶けやすいビタミンC誘導体を油にも溶けるよう開発された油溶性タイプ、水と油の両方に溶けやすく開発されたタイプがあり、「油溶性」と「両方に溶ける」この2つのタイプが油性成分の多い美容液に配合されています。
成分表示は以下の通りです。
- 油溶性タイプ…ステアリン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル、テトラヘキシルデカン酸アスコルビル など
- 両方に溶けるタイプ…パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na(APPS)、イソステアリルアスコルビルリン酸2Na(APIS) など
特にオススメなのは、進化型である両方に溶けるタイプのパルミチン酸アスコルビルリン酸3Na、通称APPSを配合したものが効果的です。
曲がり角がオススメする美容液の成分はこの2つですが、化粧水で水溶性ビタミンC誘導体が配合されているものを使い、美容液はセラミド配合のものを使うのがベストかと思います。
化粧水の水溶性ビタミンC誘導体で酸化やメラニンを抑え、美容液のセラミドでしっかり保湿するとケアのバランスがいいです。
正しい美容液の使い方
【1】手のひらに美容液を適量とる
メーカーが奨める量を手のひらにとり伸ばします。
使う量をケチってしまうと効果が出ないので適量は守りましょう。
脂っぽい肌の人はTゾーンは少なめになじませてください。
油溶性の美容液をつけすぎてしまうとニキビの原因になってしまいます。
あと、あまりオススメはしませんが、2種類の美容液を使っている人は、テクスチャーが水っぽいものから先になじませましょう。
先に油っぽいものから使うとうまく浸透しなくなります。
【2】手のひらで顔全体になじませる
手のひらでハンドプレスしながら美容液をなじませていきます。
まず頬から、そして顔全体に広げていきます。
目元や小鼻なども優しく丁寧になじませていきます。
エイジングや美白美容液を一部分的にしか塗っていないという人もいますが、全体に塗っておかないとちゃんとした予防になりません。
【3】マッサージしながら浸透させる
顔全体になじませた美容液を更に浸透させるため、矢印のように中指と薬指で優しく滑らせてマッサージしていきます。
肌が弱い敏感肌の人はマッサージは飛ばしてください。
【4】仕上げのハンドプレス
最後の仕上げに目元やフェイスラインを優しくハンドプレスして終わります。
まとめ