【関連記事】
便秘の種類について
便秘は『器質性便秘』と『機能性便秘』の2種類に大きく分けられます。
器質性便秘は何らかの病気によって大腸に異常が起き、便がスムーズに通過できなくて起こる便秘です。
この場合は病気の影響で、血便やひどい腹痛、嘔吐などの症状が出ることが多いので、速やかに病院で受診してください。
機能性便秘は何らかの原因で大腸が正常に働けなくなって起こる便秘です。
私達が悩んでいる便秘の多くの原因はこの機能性便秘にあたります。
さらに細かく4種類に分けられていて、簡単にまとめると、
- 弛緩性便秘…便を運ぶ大腸の『ぜん動運動』が弱ってしまったことによる便秘。
- けいれん性便秘…『ぜん動運動』が強くなりすぎ、大腸がけいれんを起こして便がスムーズに送れなくなって起こる便秘。
- 直腸性便秘…便が直腸に届き排便するだけなのに、便意を感じないために起こる便秘。
- 食事性便秘…ダイエットや偏食などで食事を極端に制限することによって起こる便秘。
…というように、便秘にも4つのタイプがあるのです。
この4つのタイプの便秘については『女性に多いツラ〜い便秘の主な5つの原因について!』で詳しく説明していますので参考にしてください。
あなたの便秘はどのタイプでしょうか。
心当たりのある症状が重複して、どのタイプなのかハッキリしないかもしれませんね。
では、久々に排便された便の状態を思い出してください。
- 甘栗のような大きさでコロコロした硬い便 → 弛緩性便秘
- ウサギのフンのような小さくてポロポロした便、便秘と下痢を繰り返している → けいれん性便秘
- 便秘薬は効かず、大きくかなり硬い便 → 直腸性便秘
- 極端に少ない便 → 食事性便秘
…というように、便の状態であなたの便秘タイプがだいたいわかります。
あなたの便に近かいものはありましたか?
それでは、どんな食べ物を摂れば便秘が解消できるのか便秘のタイプ別にみて行きましょう!
弛緩性便秘を解消する食べ物
弛緩性便秘は大腸の『ぜん動運動』が弱いために起こる便秘です。
『ぜん動運動』や排便時に必要な腹筋が弱い女性や高齢者がなりやすいと言われています。
なので『ぜん動運動』を正常にするためには、適度な運動をして腹筋量を増やすことが大切です。
と同時に『ぜん動運動』を促してくれる
- 不溶性食物繊維
- 乳酸菌
- オリゴ糖
…を多く含む食べ物を積極的に摂りましょう。
不溶性食物繊維
不溶性食物繊維は水分を吸収して膨らみ、腸壁を刺激して『ぜん動運動』を活発にします。
多くの不溶性食物繊維が含まれている食べ物は豆類、穀類、いも類、きのこ類、野菜などです。
- 豆類…ひよこ豆、えんどう豆、いんげん豆 など
- 穀類…トウモロコシ、大麦 など
- いも類…マッシュポテト、さつまいも、こんにゃく など
- きのこ類…キクラゲ、干しシイタケ、松茸、エリンギ など
- 野菜…かんぴょう、とうがらし など
- 木の実…アーモンド、ごま、ピスタチオ など
乳酸菌
乳酸菌は腸内にすむ善玉菌を増やして腸内環境を整えたり、『ぜん動運動』を活発にします。
乳酸菌には植物性由来と動物性由来の2種類あり、それぞれ多く含む食べ物は以下の通りです。
- 植物性乳酸菌…ぬか漬け、味噌、しょう油、納豆、キムチ、甘酒 など
- 動物性乳酸菌…ヨーグルト、チーズ、塩辛、かつお節、鮒寿司、アンチョビ など
オリゴ糖
オリゴ糖は腸内の善玉菌のエサになり、乳酸菌の働きを助けるので、乳酸菌と一緒に摂ると効果的です。
多くのオリゴ糖が含まれている食べ物は豆類、野菜、果物などです。
- 豆類…大豆、いんげん豆、えんどう豆、きな粉 など
- 野菜…テンサイ、タマネギ、ネギ、ごぼう、アスパラガス など
- 果物…バナナ、りんご など
- はちみつ
- ヨーグルト
けいれん性便秘を解消する食べ物
けいれん性便秘は大腸の『ぜん動運動』が強くなりすぎて起こる便秘です。
ストレスなど副交感神経の緊張により『ぜん動運動』が強くなりすぎてけいれんが起き、大腸がギュッと縮んでスムーズに便が送れないのです。
まずはストレスや緊張を取り除き、リラックスすることが大切です。
と同時に『ぜん動運動』が強くなりすぎないように腸壁への刺激が少なく水分の多い
- 水溶性食物繊維
…を多く含む食べ物を積極的に摂りましょう。
水溶性食物繊維
水溶性食物繊維は水に溶けやすい繊維で腸壁への刺激が少ないので『ぜん動運動』を抑えてくれます。
また腸内の善玉菌を増やし、柔らかい便を作る働きもあります。
多くの水溶性食物繊維が含まれている食べ物は海藻、果物、いも類、豆類、野菜などです。
- 海藻…ワカメ、昆布、もずく など
- 果物…りんご、バナナ、キウイ など
- いも類…マッシュポテト、さつまいも など
- 豆類…納豆、いんげん豆 など
- 野菜…エシャロット、オクラ、にんにく など
逆に刺激の強い調味料や香辛料、極端に冷たい食べ物は避けましょう。
直腸性便秘を解消する食べ物
直腸性便秘は排便する時間が取れなかったり、我慢することによって、直腸の排便センサーが鈍くなって便意を感じず、直腸に便が溜まって起こる便秘です。
直腸に溜まった便がドンドン水分が失われて大きく硬く固まり、なかなか排便ができなくなるので、便意は我慢しないようにしましょう。
食事を摂って15分後くらいに、便意がなくても必ずトイレへ行くようにすると排便リズムが生まれますので、朝の排便タイムを取るように心掛けてください。
と同時に大腸で奪われる水分を補い、柔らかい便を作る働きのある
- 水溶性食物繊維
…を多く含む食べ物を積極的に摂りましょう。
水溶性食物繊維
水溶性食物繊維は腸内の善玉菌を増やし、大腸で柔らかい便を作る働きがあります。
多くの水溶性食物繊維が含まれている食べ物は海藻、果物、いも類、豆類、野菜などです。
- 海藻…ワカメ、昆布、ひじき など
- 果物…バナナ、プルーン など
- いも類…長いも など
- 豆類…納豆 など
- 野菜…ごぼう、ニンジン、アボガド、オクラ、レンコン など
食事性便秘を解消する食べ物
食事性便秘はダイエットなどで食べ物の種類や量を極端に制限しているために起こる便秘です。
食事量が少ないと大腸の『ぜん動運動』が鈍くなってしまいます。
まずは1日3食の食事をして、身体に必要な栄養素を摂取しましょう。
胃に食べ物が入らないと大腸も動きませんし、身体を健康に維持するために必要な栄養を摂らないと、便秘以外にも色々な不調の原因となります。
身体に必要な3大栄養素である
- エネルギーになる栄養素(糖質(炭水化物)、脂質、タンパク質など)
- 身体を作る栄養素(タンパク質、無機質、脂質など)
- 身体を維持する栄養素(ビタミン、ミネラルなど)
と、すでに説明済みの便秘を解消する効果のある
- 食物繊維(水溶性食物繊維、不溶性食物繊維)
- 乳酸菌
- オリゴ糖
…をバランス良く摂る必要があります。
その他の便秘を解消する効果のある栄養素
その他にも便秘を解消する効果のある栄養素がいくつかありますので紹介しておきます。
ビタミンB12 | 消化促進 |
ビタミンC | 腸内浄化と機能回復 |
ビタミンE | 大腸の機能回復 |
葉酸 | ビタミンB12やビタミンCなどと相乗作用で効果をバックアップ |
カルシウム | 筋肉の収縮を調整 |
マグネシウム | 筋肉の収を縮調整 |
アリシン | ぜん動運動を促進 |
リンゴ酸 | ぜん動運動を促進 |
ビフィズス菌 | 腸内環境の改善 |
リノール酸 | 排便を促進 |
αリノレン酸 | 排便を促進 |
食事でバランス良く摂る事が理想ですが、足りないものをサプリメントやドリンクで摂るのもアリです。
まとめ