御岩神社の歴史
御岩神社の創建時期は不明だそうですが、縄文時代の終わり頃のものと思われる祭祀遺跡が発掘されていたり、「常陸國風土記」という日本最古の書に「浄らかな山かびれの高峰(←御岩山の古称)に天つ神鎮まる」と記されていることから、かなり昔から聖地としてあったようです。
御岩山そのものすべてがご神域になっていて、国之常立神(くにとこたちのみこと)、大国主神(おおくにぬしのみこと)、伊邪那岐神(いざなぎのみこと)、伊邪那美神(いざなみのみこと)、大山祗神(おおやまつみのかみ)ほか20柱、御岩山総祭神188柱を祀られています。
御岩神社にお参りに来るだけで、全国に散らばる神様を一気にお参りできてしまうのです。
また、珍しいことに御岩神社は神仏が同時に祀られている唯一の神社なのです。
どうやら鎌倉・室町時代に山岳信仰とともに神仏混淆の霊場となったようで、境内で発見された遺跡や祭事内容からは神道なのに、でも仏像があったり…など他の神社にはない独自な存在です。
御岩神社に到着!
御岩神社は茨城県日立市入四間町にあります。
アクセスがあまり良くないので車がオススメです。
常磐道の日立中央ICから約10分ほどの距離です。
駐車場は4箇所ありますが、あまり広くないので注意してください。警備員が誘導してくれます。
GWや休日は訪れる人も多く、すぐ満車になってしまいます。
駐車場から歩くこと数分で御岩神社に到着しました!
大鳥居を入った辺りから、一気に空気と温度が変わります。凜とした少し緊張感のある雰囲気が漂ってきて、ここから先は神聖な場所なんだと感じます。
時間も早めだったので、人もそんなにいません。
パワースポットはやはり心静かに満喫したいので、あまりワサワサ多くの人がいる時に行きたくないですよね。
なので、早めに午前中の到着を狙いました。
御岩山には午後3時以降は立ち入りできませんので、それを見越した時間の余裕をもってお参りしてください。
大鳥居から真っ直ぐ奥に楼門が見えています。緑が深くて思わず深呼吸したくなります。
まずは境内図を見て、必ず訪れたい場所をチェックです。
では、早速まいりましょう!
ご神木「三本杉」
大鳥居から歩いていくと、右手側に推定樹齢600年の立派な巨樹が現れます。
周囲はなんと9mあり、その太い幹は途中から3つに分かれ、さらに高さは50mあります。
県指定の天然記念物であり、林野庁から次世代に残していくべき巨樹・巨木として「森の巨人たち百選」に選定されています。
色々な角度でかなり頑張ってみましたが、写真におさめられないほどの巨木です。
このスケール感は、あなたの目で実際に感じて頂きたいです。
3つに分かれた幹に天狗が棲んでいたという伝説があり「天狗杉」の異名もあるようです。
天狗かは別としても、そういう精霊的な存在がいるといわれても不思議ではない雰囲気です。
いや、是非いて欲しいくらいです。
三本杉の前から小川が流れていて、そのせせらぎがとても心地良く安らぎのパワーを感じます。
長時間眺めていても飽きません。
楼門(大仁王門)
三本杉を過ぎるとすぐに朱色の楼門があります。
この楼門があることからすでに神仏融合の神社なのが伺えますね。
仁王像は仏教を守護する金剛力士なので、神道系の神社ではみられません。
この楼門の写真、阿形(あぎょう)像と吽形(うんぎょう)像の目が光って見えませんか?
魔が入り込まないように目を光らせています。
楼門をくぐる際に天井を見上げると、海から朝日が登っている美しい絵が。
梁を挟んで反対側には、満月が登る所でしょうか。
お参りする時は朝日を見て、帰る時は満月が見えるようになっているようです。
自然あふれる参拝道
御岩神社までの参拝道を歩きます。
参拝しやすいように歩きやすく整備がされていますが、自然たっぷりあふれる参拝道です。
木が倒れた後に生えた苔や
自然にできたドラゴンのような形の木など、自然のなせる技を堪能させてもらいながら進みます。
栗唐不動尊
しばらく歩いていくと、栗唐不動尊を祀った池があります。
不動明王といえば、救済する役割のある仏様ですね。
「洗心」と掘られた手のひらの像があり、その奥に流れる小さな滝があったので、そこで手と心の汚れを洗い落とします。
流れてくる天然の山水はとても冷たくて気持ち良かったです。
この栗唐不動尊の石像は、あまり大きくはありませんが、とても古そうで迫力があります。
後生車(菩提車)
木の陰になっていて見逃しやすい場所にあったのが、後生車(菩提車)。
他の参拝者がいなかったら、100%見逃していました。
後生車(菩提車)とは、木製の回転する円輪部分を上に回すと現世、下に回すと来世の願いが叶うと伝えられています。
木製の円輪部分がかなりすり減っていましたね。
あなたなら現世と来世のどちらに回しますか?
我々グループの前に並んでいた小学生低学年くらいの男の子が、どちらに回すかものスゴく悩んでいて可愛かったです。
結局決められなくて、後ろの人を待たせては悪いと思ったのか、私達の後ろに並び直していました。
その真剣さとピュアさがいいですよね!
斎神社 回向殿
御岩神社の手前にある斎神社には、仏教系である大日如来像、阿弥陀如来像が祀られています。
2像とも県や市の指定文化財に指定されていて、大日如来像はお正月にしか拝見できません。
斎神社ではその他にもご祭神として
高皇産霊神(たかむすびのかみ)
神皇産霊神(かみむすびのかみ)
八衢比古神(やちまたひこのかみ)
八衢比賣神(やちまたひめのかみ)
が祀られています。
御岩神社前の神橋
あと少しで御岩神社という、最後の神橋にお坊さんっぽい石像があります。
この石像は何を意味しているのか正しくは分からないのですが、スゴく強い意志みたいなものを感じてドキッとしました。
目元はとても冷静で厳しく、でも口元はほんのり優しくて見守っているようであり…。
まるでこの神橋を渡る前に心を静めるよう促しているようです。
神妙な気持ちで神橋を渡りました。
形代
手水舎の横に形代ができる場所がありました。
形代とは、人形にくりぬいた紙に罪や汚れ、災いなどを擦りつけて移し、身代わりとして池に流して取り除いてくれる方法です。
早速、お賽銭を入れて人形を頂きます。
人形はもの凄く薄い半紙です。
肩こりや腰痛など気になる部分に人形を擦りつけていきます。
身代わりになってくれることに感謝しながら、最後に息を吹きかけます。
そして、池に流します。
御岩神社参集殿
大鳥居から御岩神社までは、かなりゆっくり歩いても約10分くらいで着きました。
道も整備されているので全く苦もなく参拝できます。
まずは、手水舎で手と口をすすいで清めましょう。
階段を上がったらもう御岩神社参集殿です。
狛犬もいい顔していますね!
御岩神社の第一印象は光にあふれ、そして属性通りに風が濃い感じがして気持ちが良かったですね。
エネルギーの悪い雑音が消え、写真からも伝わってくると思いますが、お腹にドシンとくる厳かな神聖さがあります。
迷いを吹き飛ばすような切り替えが不思議とできる感じがしてきます。
提灯や垂れ幕など三葉葵の御紋が目立ちますね。
これは、代々水戸藩徳川家が熱心に参拝していた祈願所だったようです。
御岩神社の御祭神は、
大国主命(おおくにぬしのみこと)
伊邪那岐尊(いざなぎのみこと)
伊邪那美尊(いざなみのみこと)
他二十二柱
が祀られています。
多くの神様が祀られているので、その分あらゆる力に特化した神様が協力しながらバックアップしてくださるので、しっかり参拝しましょう。
参拝のコツは、まず二拝二拍手して自分の名前と住所、恵まれている今への感謝を伝えます。
そして「○○を叶える努力をしますのでご協力をお願いします」と伝えて、一拝して終わります。
「○○を叶えてください!」というような、100%依存するようなお願いは決してしないようにしましょう。
だってあなたはこの世に自分の夢を叶える過程も含めて体験するために来たのですから。
夢を叶えるための出会いなどのシンクロやタイミングなど、ちょっとしたチャンスのきっかけをちょこっと助けて頂くのです。
参拝が終わりましたら、このまま引き返してもOKです。御岩神社もスゴいパワースポットですので。
でも、ここまで来たなら「かびれ神宮」をお参りすることをオススメします。
「かびれ神宮」もスゴいパワースポットですよ。
ただ、かなりキツい山道になります。ヒールのあるような靴ではとてもじゃないですが登れません。
ちょっとした登山するような装備でないと難しいので、スカートやヒールのあるような靴などの場合は止めたほうがいいです!
いよいよ御岩山に入山
せっかくここまで来たので、「かびれ神宮」に向かいます。
御岩神社を左側に進むと表参道、左側に進むと裏参道に繋がり、ぐるり一周できます。
協議の結果、やはり「表」から行った方が通常だろうと表参道から向かう事にしました。
人とすれ違うことがギリギリできるくらいの細い道です。
人の気配や聞き慣れた生活音は一切消え、冷たい空気、風で葉がこすれる音や鳥の鳴き声はするのにどこかシーンとした感じ、緑の濃さ、木漏れ日、土のニオイ…など、都会では感じられない感覚であふれ、最初は少し怖いくらいでした。
しばらくすると徐々に馴れて、気持ち良く自然を楽しめるようになります。
無意識にたくさん深呼吸していました。体が良いエネルギーを取り入れようとしているのでしょうか。
段々上り坂になり、足元は大小の石がゴロゴロしてきました。
木々もドンドン深くなってきます。
でも、こんなもんじゃありませんでした!
さらに道が険しくなっていきます。
写真で伝わらないのがもどかしいですが、傾斜はキツくなり、ドンドン道は狭くなって獣道レベルになっていきます。
絶対ヒールのあるような靴では無理!
本当にキツくて、息が切れ、ペースがさらに遅くなっていきます。
あまりの傾斜で、編集長はコケて斜面を少し滑り落ち、デニムパンツがドロドロに…(汗)
絶対なめてかかってはいけません!
私達は気付かなかったのですが、社務所で山登り用杖を貸し出してくれるようです。
でも表参道のこの傾斜を考えると、杖があっても使いこなせなかったと思います(笑)
このキツい道をヒーヒー言いながら登っていると、下山する人や後ろから追いついてきた人などと「頑張りましょうね〜!」とか「あと少しですよ〜」など自然と声をかけあっているんですよね。
色々な人から励まされながら、ひたすら登ること30分!ようやく「かびれ神宮」が見えてきました。
かびれ神宮
到着しました、かびれ神宮!
ひたすら山を登っていると、つまらない煩悩は消えていきますね。
登りきった達成感で清々しい気分になります。
まずは、参拝する前に呼吸を整える時間が必要でした(笑)
かびれ神宮は御岩山の山頂にあるのではなく、ほとんど表参道と裏参道を繋ぐ真ん中辺りにあります。
少し表参道寄りにあるので、裏参道で山頂へ向かい裏参道で帰ると参拝できませんので注意してくださいね。
表参道と裏参道で一周するのが良いと思います。
かびれ神宮は、すごく小さいお社で階段などもかなりの歴史を感じます。
その存在感は半端なく、お社を包む空気は神聖さゆえの緊張感があります。
自然と失礼のないようにという気分になりました。
かびれ神宮の御祭神は、
邇邇藝命(ににぎのみこと)
立速日男命(たちはやひをのみこと)
が祀られています。
しっかり参拝させて頂きました!
御岩山山頂へ…
かびれ神宮までの道のりで、お恥ずかしながら3人とも体力を使い切りヘロヘロになっておりました。
山頂から降りてこられた方に話を聞くと、この分かれ道から山頂まで少なく見積もっても20分は歩き、さらに道は険しくなるそう…。
山頂辺りに、もの凄いパワースポットである「天岩戸」や「光の石柱」、「赤い石」など有名スポットがあるようですが、素人参拝者にはなかなかたどり着けないそうです。
確かに、調べてみても「天岩戸」までのルートは分かりませんでした。
こ、ここまで来て…とは思ったものの、これ以上道が険しいと私達の装備では危なそうなので、今回は山頂は断念することにしました。
御岩神社には、もう一度来る事になる予感がします。
裏参道
裏参道から御岩神社に戻ります。
表参道の道のりを考えて、どんな過酷な道だろうとドキドキしましたが、裏参道は幾分かは(本当に幾分かでしかなかった…笑)楽でした。
ゴロゴロ石のある下り坂が続き、滑らないように気を付けながら歩き続けます。
この写真で傾斜がスゴいのが伝わりますか?
この下り坂も続くとけっこうキツいです。
滑りやすくなっている土面や石などを、体をひねりながらバランスをとって一歩一歩慎重に降らないと、すぐ滑って転びそうになり気が抜けないのです。
ここは社務所で貸し出してくれる杖があったら楽かもしれません。
合間のちょっとした遊び心でしょうか。石が綺麗に積まれていました。
この記事を読んで、御岩山に登頂される方にちょっとしたクイズです!
上の写真の場所が裏参道のどこかにあるので、見つけたら写真を撮って送ってくださいね〜!…なんて。
しばらく降ると、途中にキレイな小川が流れていたので、パワーストーンを浸して御岩山のパワーをおすそわけして頂きました。
御岩山の山水はとても澄んでいて冷たくて、パワーストーンのくすみが取れた気がします。
これで浄化完了!汗だくで体温が上がった体にパワーストーンの冷たさが心地良かったです。
薩都神社中宮(さとじんじゃちゅうぐう)
裏参道の途中にある薩都神社中宮へ到着。
このお社も小さいですが、木々に囲まれとっても趣のある素敵な場所でした。
神道系の神社にお参りするといつも思うのですが、繊細なお社デザインはとても素敵ですよね。
薩都神社中宮の御祭神は、
が祀られています。
無事に下山!
薩都神社中宮から御岩神社に戻るまではスグでした。無事に下山です!
時計を見ると、途中休憩したりしたので1週するのに1時間30分はかかっていました。
足は普段使わない筋肉を使って疲労してますし、汗をたくさんかいてノドもカラカラ!
でも、言い様のない心地の良い疲労感でした。
自然に囲まれ気持ち良かったし、険しい道だったからこそ無駄な思考は止まり、山を登ることだけに集中していました。
いいエネルギーをチャージするのに邪魔をする思考が止まることで、十分に御岩山の神聖なパワーをチャージさせていただけました!
ふと足元をみると、険しい山道を物語るように靴はかなり汚れていました。
でも大丈夫!さすがなのです、社務所の横に靴洗い場があるんです。
バケツやタワシがあって、しっかり靴の汚れを取ることができます。至れり尽くせりですね!
まとめ
基本情報
住所:〒311-0402 茨城県日立市入四間町752
電話:0294-21-8445
参拝時間:6:00〜18:00
御岩山登拝:6:00〜15:00 ※夜間は立ち入り禁止
社務所:9:00〜17:00
ホームページ:http://www.oiwajinja.jp
アクセス:
【車】三郷ICより約1時間30分
常磐道 三郷IC → 日立中央IC → (県道36号線・日立山方線) → 御岩神社
※日立中央IC → 御岩神社間は車で約10分
【電車】上野より約1時間30分
東京駅(上野東京ライン/常磐線) → 日立駅
上野駅(JR常磐線・特急スーパーひたち16・17番ホーム) → 日立駅
【バス】日立駅より約35分
日立駅(中央口1番のりば 日立電鉄バス60東河内方面) → 御岩神社前
【タクシー】日立駅より約20分