諸外国に比べ、日本人は口臭マナーの意識が低いと言われています。
日常の挨拶でキスやハグの習慣がなく、人と一定の距離より近づく事が少ないので、大丈夫だろうという甘い認識なのでしょう。
また、人の口臭はわかりますが、自分の口臭には気付けない事も多いそうです。
自分は無臭だ!と思い込んでいて、実はものすごく周りに迷惑をかけていた…なんてことも(汗)。
口臭はデリケートな問題なので、なかなか指摘できませんし、してもらえません。
最近になりようやく、スメルハラスメントといわれ社会問題にもなりつつあり、徐々に気にする人が増えてきています。
特に30〜40代の女性が口臭マナーの意識が高いようです。
あなたは大丈夫ですか?正しい口臭ケアができていますか?
しっかり口臭の原因と改善方法を知って、無臭に近い息をkeepしましょう!
なぜ口臭は自分で気付きにくいの?
あの人の息が臭い!と、人の口臭はかなり敏感にわかるのに、なぜ自分の口臭には気付きにくいのでしょうか。
それは、人体の素晴らしい順応性が関係しています。
人間の鼻は、同じ臭いを嗅ぎ続けていると、その臭いに馴れてしまい感じなくなるのです。
この現象を「臭覚の順応」といいます。
この「臭覚の順応」は、嫌な臭いを嗅ぎ続けても起こります。
この不快で嫌な臭いをもう嗅ぎたくない!と麻痺させ臭わなくなるのです。
これを「嗅覚疲労」といいます。
臭覚が疲労してしまい、臭いを感じなくなるのです。
口臭を含む体臭が、自分でわからないのはこのためです。
自分で口臭をチェックする方法はあるの?
一番手っ取り早く口臭の有無がわかるのは、身近な家族に訊いてみる事です。
身も蓋もなくハッキリ答えてくれます(笑)
また、話している相手の様子でもわかる時があります。自分と話す時にいつも相手がマスクを付けているとか、話している間ずっと鼻に手をあてている…とか(笑)
とはいえ、たまたまの気のせいの場合もあるのでしっかりした判断にはなりませんよね。
身近な家族にも恥ずかしくて聞けなかったり、一人暮らしの人はどうやって口臭があるか判断すればいいのでしょうか?
自分で口臭をチェックできる方法を幾つか調べてみました。
- マスクを鼻までしっかり装着した時に、息が臭くないかチェックする
- 手などを舐めて、唾液が乾いた時に、舐めてない手と比べて異常に臭くないかチェックする
- 使用したデンタルフロスが臭くないかチェックする
- 舌が白くなっていないかチェックする
- ブレスチェッカーで調べる
1〜3で、臭いがあれば口臭あり決定です!
4の舌に白い苔のようなものがたくさんあれば口臭がある可能性が高いです。
5のブレスチェッカーは、専用の機械に息を吹きかけるだけで簡単に口臭をチェックできます。
加齢とともに口臭も出てきますので、この際しっかり自分の口臭状態を知っておく事をオススメします。
臭覚的な問題で対人関係を無意味にこじらせるのは勿体ないです!
そもそも口臭の原因って何?
口の中は、常に温度も高く湿気があるので、細菌が多く存在し臭いが発生しやすい状況です。
口臭にも種類があり、それぞれ原因があります。
- 生理的な口臭
- 口内環境による口臭
- 体内環境による口臭
- 飲食物による口臭
- 心理的な口臭
の大きく分けて5つの種類に分けられます。
それぞれの原因と対応策を簡単に説明していきましょう。
生理的な口臭
生理的な口臭は、
- 起床した直後
- お腹が空いている
- 緊張している
- 疲労している
- 加齢による
- ホルモンバランスの変化による(生理、妊娠時など)
などの状態により、口の中が乾燥して唾液の量が減った事が原因で、口臭が強くなってしまった状態です。
唾液が口の中を殺菌してくれるのですが、起床直後や緊張時などは極端に分泌量が減ってしまうので、細菌が増え口臭の原因である揮発性硫黄化合物(VSC)が多く作られてしまうのです。
生理的な口臭の対応策
誰にでもある口臭です。気にしすぎなくても大丈夫です。
歯磨きをして揮発性硫黄化合物(VSC)を減らしたり、水分や食事を摂ったりガムを噛んで唾液の量を増やしてあげましょう。
唾液の量が増えれば口臭は弱くなってきます。
口内環境による口臭
口内環境による口臭は、
- 歯垢・歯石がある
- 虫歯がある
- 歯周病になっている
- 舌苔(ぜったい)がある
- ドライマウスがち
など、口の中の環境が悪いことが原因で口臭がしている状態です。
まず、歯垢が溜まると口臭がします。
なんと歯垢は75%が細菌だと言われています。
歯垢の中の細菌は、口臭原因のガスを出す菌や、虫歯菌、歯周病菌などがウヨウヨ300種類くらいいます。
歯垢をそのままにしてしまうと揮発性硫黄化合物(VSC)が多く発生し口臭が強くなり、さらに虫歯や歯周病になってしまいます。
虫歯や歯周病になると、口臭を作る細菌の隠れ家となってしまう上に、虫歯が進むと膿が溜まったり、歯周病が進むと歯がグラグラになったりします。
舌苔は、白い苔のようなものが舌に生えた状態です。この白い苔のようなものは細菌が繁殖したものです。
繁殖した細菌によって揮発性硫黄化合物(VSC)が多く発生し、口臭も強くなってしまいます。
また、舌苔はドライマウスによって唾液が減少し乾燥すると出来やすくなります。
口内環境による口臭の対応策
まずは丁寧な歯磨きを毎日2回はしましょう。
歯を痛めないよう柔らかいブラシで、手磨きで10分、電動歯磨きで5分くらいが目安です。
デンタルフロスで歯間ケアするのも効果的です。
歯垢や歯石をしっかり取り除き、虫歯や歯周病にならないよう口内環境をキレイにしていれば口臭は弱くなっていきます。
歯石になってしまった場合や、虫歯や歯周病になってしまったら、放置せずに歯科で治療してもらいましょう。
舌苔は、歯ブラシでゴシゴシやってはいけません。舌の粘膜を傷つけてしまいます。
出来れば市販されている「舌ブラシ」で優しく磨いてください。
1日1回が目安です。やり過ぎて舌を傷つけてしまうと口臭を悪化させます。
ドライマウスの人は、水分や食事を摂ったりガムを噛んで唾液の量を増やしてあげましょう。
体内環境による口臭
体内環境による口臭は、
- 便秘
- 咽頭部疾患
- 気管支疾患
- 消化器疾患
- 呼吸器疾患
- 肝臓疾患
- 糖尿病
など、体内環境が悪いことが原因で口臭がしている状態です。
結構女性に多い便秘も、口臭や体臭の原因になります。
排泄されず体内にとどまった便が、腐敗発酵し有害物質を発生させます。この有害物質が血液に溶け込み全身に巡り、口臭や体臭の原因となるのです。
また、病気が原因で口臭がする場合もあります。
口臭がする病気としては、咽頭部、気管支、消化器、呼吸器、肝臓系の疾患や糖尿病などです。
原因の病気によって臭いの特徴があります。
口臭の特徴 | 可能性のある病気 |
便やおならの臭い | 便秘 |
甘ったるい臭い | 咽頭部疾患・気管支疾患 |
腐った臭い | 消化器疾患・呼吸器疾患 |
アンモニア臭い | 肝臓疾患 |
腐ったリンゴのような臭い | 糖尿病 |
体内環境による口臭の対応策
便秘による口臭は、まず腸内環境を改善することが大切です。
しっかり水分と食物繊維を摂るようにしましょう。
食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類あります。
水溶性食物繊維は水に溶ける食物繊維で、腸内の善玉菌を増やし腸内環境を整えてくれます。
不溶性食物繊維は水に溶けず消化されにくい食物繊維で、腸内の有害物質を含む便を排出してくれます。
便秘を改善するには、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方をバランスよく摂る必要があります。
水溶性食物繊維1:不溶性食物繊維2くらいが目安です。
穀物類 | 大麦 など |
野菜類 | らっきょう、オクラ、にんにく など |
豆類 | 納豆 など |
イモ類 | サツマイモ、里芋、山芋 など |
果物類 | アボガド、バナナ など |
海藻類 | 昆布、ワカメ、海苔 など |
穀物類 | 雑穀、ライ麦 など |
野菜類 | ブロッコリー、枝豆、ごぼう、カボチャ など |
豆類 | インゲン豆、ひよこ豆、小豆、えんどう豆、おから など |
果物類 | パパイア、イチジク、柿、リンゴ、キウイ など |
キノコ類 | 干しシイタケ、なめこ、きくらげ、エリンギ、えのき など |
ナッツ類 | アーモンド など |
それぞれ多く含まれる食べ物を参考にしながら、バランスと効率良く食物繊維を摂って便秘を解消しましょう。
便秘が解消すれば口臭や体臭もなくなります。
その他の病気による口臭は、まず病気を治すことです。
上記のように口臭に変化が出てきましたら、ぜひ病院で受診してください。
病気が治れば口臭もなくなります。
飲食物による口臭
飲食物による口臭は、
- にんにく
- ニラ
- タマネギ
- らっきょ
- キムチ
- チーズ
- 納豆
- コーヒー
- お酒
- タバコ
など、口にしたものが原因で口臭がしている状態です。
食べ物や飲み物の中の成分が臭いの元になっているものや、その食べ物や飲み物自体臭いをもっているものなどあります。
飲食物による口臭の対応策
飲食物による口臭は一時的なことなので、うがいや歯磨き、洗口剤やタブレット、ガムなどで臭いを隠しましょう。
そして口の中を殺菌してくれる唾液が少なくならないように水分をたくさん摂りましょう。
心理的な口臭
心理的な口臭は、自分の口臭がヒドいと思い込んで、神経質になりすぎている状態です。
生理的な口臭などのように実際は多少の口臭は誰にでもあります。
本当は本人が気にするほど口臭がないのに、気にしすぎて日常生活に支障をきたしてしまう人は「心理的口臭症」にあたります。
心理的な口臭の対応策
どうしても気になってしまう人は、歯科などに行って検査を受けてください。
口臭があるか無いかがハッキリわかれば納得できると思います。
歯科に行くのも抵抗がある人は、ブレスチェッカーで調べてみましょう!
思い込みなだけな場合は、医師の診察やブレスチェッカーなどの数値で、事実を確認し安心することで改善していきます。
まとめ