あなたの便秘はどういう状態ですか?
何日も便通がなくお腹が張ってきたり、ガスが溜まって苦しかったり、便意はあるのに硬くてコロコロした便が少ししか出ずお尻が痛かったり…など、ツラ〜い状態かもしれません。
では、逆に快便とはどういった状態のことをいうのでしょうか。
便通が自然に週3回以上あって、バナナのような形で長く柔らかい茶色い便であれば健康であり良い状態です。
こんな便が自然にスルッと出たら気持ちいいですね(笑)
便通が3日以上ないのはもちろんとして、毎日便通があっても少量だったり、硬くてコロコロしていたり、残便感があったら立派な便秘です。
このツラ〜い便秘の原因っていったい何なのでしょう。
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排便のしくみ
私達が食事をすると、歯でかみ砕かれた食物はまず胃に運ばれます。
胃では食物を収縮運動で胃液と混ぜ合わせながらこね回し、固形からドロドロの粥状にします。
同時にスムーズに排便させるため大腸がスタンバイしはじめます。
ドロドロの粥状になった食物はゆっくりと胃から十二指腸、小腸と順に送られ、必要な栄養素がどんどん吸収されていきます。
栄養素が抜き取られた出がらしの不必要なものが大腸へと届けられます。
そして、大腸でゆっくりと水分が吸収され固形化しながら直腸までくると、脳から排便指令が出され、私達は便意を感じ排便します。
便秘になるのは、この大腸の働きや直腸の排便センサーに問題が起こっているからです。
便秘になってしまう大腸の状態
便秘になってしまう原因は大きく分けて『器質性便秘』と『機能性便秘』の2種類が考えられます。
この時、大腸の状態はどうなっているのでしょうか。
まずは器質性便秘とは、大腸が大腸がんや腸管癒着などによって器質的に異常があって便が通過しづらくなって起こる便秘です。
この場合は便秘とともに血便やひどい腹痛、嘔吐などの症状が出ることが多いので、速やかに病院で受診してください。
次の機能性便秘とは、大腸の働きが正常に行われていないことによる便秘のことで、さらに細かく
- 弛緩性便秘
- けいれん性便秘
- 直腸性便秘
- 食事性便秘
の4種類に分けられます。
これらは日常生活でありがちな症状なので詳しくみていきましょう。
弛緩性便秘
弛緩性便秘は腸管の緊張がゆるみ、大腸が一定のリズムで収縮する『ぜん動運動』が弱ってしまったことによる便秘です。
ぜん動運動が弱るとなかなか便を肛門へ押し出せなくなります。
そうすると便は大腸内に長く留まり、水分がドンドン吸収され続けて硬くなっていきます。硬い便がなかなか排便できず、排便時の痛みや痔などを引き起こすことも。
特に女性や高齢者は、筋肉量も少ないのでぜん動運動や排便する時に必要な腹圧をかける腹筋が弱く、便秘になりやすいのです。
けいれん性便秘
けいれん性便秘はぜん動運動が強くなりすぎ、大腸がけいれんを起こして便がスムーズに送れなくなって起こる便秘です。
ストレスなどによる副交感神経の緊張で、ぜん動運動が強くなりすぎるとけいれんが起きて、大腸がギュッと縮んでしまいます。
すると小さくてコロコロした硬い便になり、少しづつしか排便できず残便感があったり、便秘と下痢を繰り返すことも。
特に緊張やストレスが多く、リラックスがうまくできない人に多い症状です。
直腸性便秘
直腸性便秘は便が直腸に届いて、後は排便するだけなのに、脳からの排便命令がうまく伝わらないで便意を感じないために起こる便秘です。
トイレに行く時間がなかったり、恥ずかしくて行けないなど便意を我慢する事が多い人は、直腸の排便センサーが鈍くなっていきますので注意してください。
直腸で便が太く硬くなり、息んでもなかなか排便できなくなります。
食事性便秘
食事性便秘は食物繊維が極端に摂れていなかったり、ダイエットなどで食事の量を極端に制限することによって起こる便秘です。
食物繊維が少ないと腸壁に刺激がなくなって便秘になることがあります。
そもそも食事量が少ないとぜん動運動も鈍くなり、大腸が正常に働かなくなります。
便秘が女性に多い原因は何?
便秘になる原因をみてきましたが、なぜ女性に便秘が多いのか何となくわかりますね。
- 便を送り出す大腸の力が弱い→【弛緩性便秘】
- 排便する時に必要な腹圧をかける腹筋が弱い→【弛緩性便秘】
- 職場や家庭でストレスを感じることが多い→【けいれん性便秘】
- 朝はヘアメイクなどに時間がかかり排便する時間が取れない→【直腸性便秘】
- 恥ずかしくて外出先で排便できない→【直腸性便秘】
- ダイエットで無理な食事制限をする→【食事性便秘】
…など、いろいろ思い当たるのではないでしょうか。
その他にも女性ホルモンの作用も見逃せません。
『黄体ホルモン』という女性ホルモンがあるのですが、水分や塩分を溜め込む性質があり、大腸の腸壁から便の水分を吸収してしまうのです。
それで便が硬くなり、排便しづらくなってしまいます。
また、子宮筋の収縮をコントロールする働きもあり、その作用が腸に影響しぜん動運動を弱くさせてしまいます。
月経前や妊娠初期に便秘になりやすいのはそのためです。
こういった原因で、男性に比べ女性の方が便秘が多くなってしまいます。
なるべく運動して筋肉を増やし、ストレスをできるだけ解消し、便意は我慢せずしっかりと出し、水分や食事もちゃんと摂るようにして、なるべく便秘にならない大腸の環境を整えましょう。
まとめ